2020年9月30日 (水)

コロナについてのメモ(6)最終回


厭戦気分にも似たコロナに対する新しい社会状況が始まっている。


日本は国民全員に行きわたるだけのコロナワクチンの予約をした。来年のはじめからワクチンの供給が始まり来年のなかばまでに接種を完了する見通しだ。ワクチンが効き始めれば集団免疫ができたのと同じ状況になるのでコロナは収束に向かうだろう。

図解、新型コロナウイルス熾烈な「ワクチン争奪戦」(アンサーニュース、9/7)
https://answers.ten-navi.com/pharmanews/19198/

問題は副作用だ。
治験期間が極端に短いので十分な副作用の検討ができない。従ってリスクは各国政府がとることになるだろう。日本では副作用による製薬会社の賠償を政府が肩代わりすることになるようだ。危機管理の観点から政府がリスクを肩代わりするのは当然としても、ある程度の安全性への見通しが得られなければ医療現場で使えまい。さらに開発されたワクチンの有用性を確かめる期間もない。政府は効かなかった場合に備えて数社との契約を進めている。

ワクチンはあなたに届くか(NHK政治マガジン、9/2)
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/43732.html

次の問題は第3波には間に合わないということだ。
11月には始まると予想(予測ではない)されているが、最近の重症者数の動向を見ているとそろそろ始まっているようにも見える。厚労省の統計はリアルタイムではなく、各地からの報告をまとめるのに1週間から2週間かかると言われている。いま重症者数が微増しているのは9月の連休の人出の影響だろう。


第2波は第1波よりも感染者数は多かった。それはPCR検査を使ったクラスターつぶしを行ったせいで、これまで見過ごされていた無症状患者もカウントしたためだろう。実際は第1波も同じほどの感染者が出ていたと考えてよい。

それなのに重症化率や死亡者が第1波より少なかったのは、医療機関がコロナに慣れたことと治療薬のおかげだろう。従って第3波が来ても第2波同様に被害を抑え込めると考えることもできる。


しかし、それは日本であいかわらず感染爆発が起きないという前提での話である。これから冬になり暖房を使うようになると室内の全部換気は夏場ほどうまくできない。換気は3密防止の重要な条件だったがそこが崩れる。

また、閉鎖されていた大学が再開し始めている。小中高と開校しているのだから大学だけ閉鎖することはないのかも知れない。しかし、小中高と違って大学生は府県境界を越境して通学するものが多い。府県境を越えた移動の自粛は新しい生活様式の要素でもあった。そこも崩れ始めている。


換気の減少と大学再開など感染者を増やす条件がそろい始めている。さらに厭戦気分にも似た脱コロナの社会状況が感染増加に拍車をかけるだろう。そうしたことを踏まれれば第3波を第2波同等に抑え込められるのかわたしは疑問だ。

感染爆発は都市部のスラム街で始まった。

都市の弱い部分が最初に罹患するのである。日本における都市の弱点が存在するとすれば、それは貧困な高齢者層だろうとわたしは思う。都心部や近郊住宅地など高齢化と空洞化が同時に進む地域は都市をまだらに覆っている。もし日本で感染爆発が起こるとすればそうした地域ではなかろうかと思っている。

NY市、所得・地域別に格差鮮明、新型コロナの感染(日経新聞5/20)

ワクチンが間に合うまでの3ヶ月間、わたしは自粛を守るべきだと考えている。もし感染爆発が起きればすでに見てきたように感染者累計252万人(9/30現在8.2万人)、死亡者7万人(9/30現在1,563名)にのぼるだろう。

コロナを忘れたような脱コロナ現象、オリンピックを視野におさめた政府の施策、漠然としたワクチンへの期待感。そうしたふわっとした根拠のない楽観主義が頭を持ち上げる一方で第3波は確実に始まっている、ようにわたしには見える。

長くなったが、どうも気になってしようがないのでメモしておいた。ここまで読んでくださった読者に感謝する。

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