【タイル大好き 73】京都会館のレンガブロック
無釉に見える。土の色がそのまま出ているのだろう。数色あるのは数色の納戸を混ぜているのだろう。表面はびしゃん仕上げのような粗面と平滑な素地のままのものとがある。色目と表面仕上げの違いがあいまって表情のヴァリエーションが多い。
注意したいのはブロックの上下だけワイヤーで荒く面取りしていることだ。上下のラインが波打つことで石積みのような力強さがある。目地の入れ方も荒々しい。ロマネスクの修道院回廊のような素朴な美しさがある。前川はこういうところがうまい。
レンガブロックには面取りしたものと無いものの2種類ある。面取りブロックが当初のものだろう。面取りブロックは目地部分の下側が欠けている。これはブロックが穴開き型ではなくL型であり、水平方向の鉄筋を通すためにLの短辺側の下部をすかしているのではないか。
2016,02.08、京都市、京都会館(1960、前川國男設計)
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