2020年5月13日 (水)

【タイル大好き 17】雪国の粗面タイル

市松(いちま)模様が美しい。古くなって彩度が落ちた感じもよい。

反射光がにぶいのは粗面だからだ。ザラザラしているわけではないが滑り止めに役立つ程度に表面は荒い。ここは比叡山の頂上近くで雪深い地域だ。雪でも滑らないようにという配慮だろう。粗面なので汚れるのも早い。選ばれた色がにぶいのも、そのことを見越したからだろう。目地まわりの破損は凍害だ。100年使くたってもこの程度の破損ですんでいるのは素材がよく焼しめられていることの証左だ。

とくに注意したいのは目地が細いことだ。通常の半分もない。これは格子状の市松模様を際立たせたいからに他ならない。もし目地が太いと市松模様がぼやけていただろう。こうやってピタッとくっつけることでトランプの背模様のような2次元的な雰囲気を作り出している。ひょっとすると根本中堂の石敷きをイメージしたのかもしれない。石敷きだと目地はほぼ無いからこの床模様に似るだろう。

素材の選びかた、色の決め方、目地のとりかた、どれをとってもよく行き届いた設計と言わねばならない。

Img_0155
2017.07.21、滋賀県大津市、ケーブル延暦寺駅(1927)

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