【タイル大好き 28】湾曲布目タイルの寸法調整
焼きムラが美しい手焼きタイルだ。布目のテクスチャーも適度に異なって手作り感あふれる。モダンでシンプルな玄関ホールはえてして冷たい印象を見るものに与える。この地味なタイルがここを親しみ深いものにしているのだ。
よく見ると2枚の湾曲タイルを繋いでから焼いている。また、1枚の途中で切断して長さを調整している。こうやってタテ目地をぴったり突きつけて仕上げられているわけだ。普通は多少タテ目地も隙間があくのだが、これほどピッタリとくっつけた納まりはあまり見ない。そのおかげですっきり見せることに成功している。
不思議なのは長さ調整したのは成形段階だったこと。タイルは乾燥と焼成で1割縮む。成形段階でぴったり作っても焼きあがると長さはバラバラになるはずなのだ。いったいどうやったのだろう?
2020.05.19、神戸市、御影公会堂(清水栄二設計、1933)
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