2020年2月15日 (土)

犬の話(4)

 犬の話を続けよう(需要があるようなので)。

 わたしが五郎六郎と名付けた犬がいる。黒白まだらのフレンチブルドックだ。体調は50センチくらい。これが2頭いる。五郎六郎という鎌倉時代の武士のような名前だが、どちらかが五郎でどちらかが六郎なのだ。でもまったく見分けがつかないので五郎六郎とまとめて呼んでいる。
 彼らのお父さんは痩せた中年男性でいつも家の前のガレージで黒いワンボックスカーと犬を洗っている。このとき五郎六郎はリードが外されていることが多い。舌をベロベロ垂らしながらさほど広くもない道を縦横に駆け回りながらかわるがわるにホースの水に飛び込んでいる。犬は水が嫌いだと思っていたがそうでもないらしい。
 あるとき自転車で通りかかるとちょうど車と犬を洗っているところだった。小さな五郎六郎が元気いっぱい跳ねまわっている姿を見ると私はとてもうれしくなる。自転車の速度を落としてゆっくり眺める。そのときワンボックスカーのバックドアが開いていた。な、なんとそこに五郎六郎とそっくりな犬がもう1頭座っていたのだ。

(え、なんで?)

 私は振り返りながらもう一度犬の数を数えてみた。やっぱり3頭いる。

(ほんまかいな、それじゃあ五郎六郎七郎じゃないか!)

 わたしは多少混乱しながら通り過ぎた。しかしである。あれ以来3頭一緒にいるところを私は見たことがない。いつも2頭だ。あれは単なる見間違いだったのか、それとも幻影だったのか。今でも謎である。

|

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。