【祖山信仰と陰陽論2】比叡山も陰陽になっている
ちなみに大阪工業大学の梅田キャンパスから比叡山もよく見える。そして二上山と同じようにピークがふたつある。左が四明岳(しめいだけ)、右が大比叡だ。大比叡のほうが高いので雄山だろう。
さてこの山も二上山と同じように天地を祀る雨ごいの山かというとそうでもない。それはご祭神を見ればわかる。比叡山は日吉山(ひえやま)が古い言い方だが、日吉大社のご祭神は大物主(おおものぬし)神と大山咋(おおやまくい)神だという。
オオヤマクイの意味はよく分かっていない。ウイッキでは咋は杭であるとし杭を打ち土地の所有を示す意味とする。つまり土地神というわけだ。一方のオオモノヌシは三輪大社のご祭神であり大国主と同一視されることも多い。
オオヤマクイが土地神で地神ならばオオモノヌシが天神だというとそうでもない。オオモノヌシは大国主や大己貴(おおなむち)などいくつも別名がある。各地で祀られていたから名前も多いのだろう。しかしそれを金気の神様になぞらえるのは無理がある。どちらかと言えば土気か木気だと思う。
比叡山のふたつのピークは「地神-地神」のセットで二上山の「天神-地神」とは違う祭祀と考えたほうがよさそうだ。わたしは易でいうところの地山謙(ちざんけん)ではないかと思っている。地と山のイメージがそろうことで謙という答えになる。この場合、地にあたるのがオオヤマクイで山がオオモノヌシなのだろう。
謙とは謙譲のことで戦勝祈願に使うことの多い卦だ。天智天皇は近江遷都に際して三輪大社からオオモノヌシを勧請したという。元から祀られていたオオヤマクイとセットになったのはこのときだ。わたしは対新羅戦の戦勝祈願をしたのではないかと思っている。
2020.02.01、大阪市北区梅田から眺めた比叡山
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