2019年8月 7日 (水)

龍安寺の石庭の謎を解いてみた(2)

 この庭には名前がある。「虎の子渡しの庭」という。虎の子渡しとは次のような数学の問題である。結論からいうとこのネーミングはフェイクだった。

 トラの子渡しのトラップ
トラは3頭こどもを産むとそのうちの1頭がヒョウになるという。ヒョウはこどもくせに虎の子を食べてしまう。だから兄弟と2頭きりにしてはならない。ヒョウのほかに2頭以上のトラが一緒にいればヒョウは虎の子を食べないし、親と2頭きりのときも親トラを食べることもない。これが前提条件だ。

 さて、あるときトラの一家は川を渡らねばならなくなった。2頭しか乗れない小船があり、これを使って親はこどもたちを向こう岸へ渡らせねばならない。最初に子トラを船に乗せると岸の残ったもう1頭の子トラがヒョウに食べられてしまう。さてどうすればヒョウも含めた一家4頭を向こう岸へ運ぶことができるだろうか。これがトラの子渡しの問題である。

 答えはひととおりしかない。まずヒョウを向こう岸へ渡す。次に子トラ1頭を渡し、帰り船にヒョウを乗せる。岸に戻れば残っていた子トラとヒョウとを入れ替える。子トラを渡したあとヒョウを連れにもう一度戻る。これを数列に書くと次のとおりとなる。これは行列だな。

[4,0][2,2][3,1][2,2][1,3][2,2][0,4]

 さて、石庭の島の石の数は2,3,5の3種類しかない。1と4がない以上、トラの子渡しの答えがそのまま石庭に当てはまらない。一見、島の配置がトラの子渡しの問題と似るので関係があるように思わせるがこれはフェイクなのだ。ではこのネーミングは石庭と無関係なのだろうか。実はそうでもないのである。(つづく)

19080104
2019.08.01、現場メモ

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