龍安寺の石庭の謎を解いてみた
ヒワダ葺き職人の研修生たちと龍安寺へ行った。平日の午前中だというのに観光客で混んでいた。それでも石庭は異世界の鏡のようにそこに静まりかえっていた。石庭の謎について考えたことをメモしておく。
禅宗の庭は公案となっていることが多い。公案とは悟りを得るための問題でなぞなぞみたいなものらしい。京極夏彦が公案をトリックに使ったミステリーを書いている(鉄鼠の檻)。この石庭も公案の一種と考えられており、これが何であるのかを考えることが修行になるというわけだ。
数列の庭
さて、石庭に置かれた15個の石は5つにグルーピングされている。5は五行を表すのだろう。15は五行それぞれに与えられた数字の和、つまり木気(3)+火気(2)+土気(5)+金気(4)+水気(1)=15に等しい。やはり石庭が五行をテーマにしていることを示すのだろう。
しかし5つの島は東から5,2、3、2、3と分けられており水気の1と金気の4が無い。単純に五行を5つの島に当てはめることはできない。とりあえずこの庭の公案とは「5,2,3,2,3」の数列の意味を解けというものであることが分かる。
火の数列
庭の中心で左右に分けて考えるとおもしろいことが分かる。左側は5と2なので合計は7となる。7は火気を示す数字だ。
右側は3と2と3だ。3は陽気、2は陰気を代表する数字なので右側の数列は陽気+陰気+陽気と読める。これは易の示す8つのイメージのなかの火にあたる。両側とも火を示す数列であることが分かる。つまりここは火の庭なのだ。
そう思って庭をもう一度観察してみると石庭は方丈より西にずれていて、方丈の中心は左から2番目の島が正面となる。2も7と同様、火を示す数字だ。やはりこの庭は火の庭なのか。ではなぜこの庭が火をテーマとしているのか。それが分からなかった。
長くなったので続きは次回に。
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