由岐神社拝殿の謎(2)なぜ6間なのか
これは簡単で五行説において6は水を表す。ここは子安(こやす、安産)の祈りをささげる場所、つまり春を寿ぐ聖地である。春は五行でいえば木気、木気を育むのは水気だから本殿前に間口6間の拝殿を捧げれば木気の神様が盛んになって祈りが通じやすくなるだろう。
この理屈は桃山時代の人ならすぐ分かったことだろう。陰陽五行説は日本文化の基調をなす常識だったから、拝殿を6間で造営する意味は作るほうも見るほうもよく分かっていたはずだ。明治以降、邪説と退けられて6間である意味は忘れられていった。本来このことは謎でなかったわけだ。
階段通路が東から3番目にあるのは3が木気を示す数字だからだろう。6と合わせて「水生木」(すいしょうもく)の相生(そうしょう)の関係を示す。相生とは水気が木気を生むということだ。
西から数えれば4番目となる。4は金気の数字だから今度は「金生水」の関係を表す。正確に言えば4に土気の5を加えて9にならないと水気を生み出すことはできない。人体は土気だから拝殿に登る巫女や稚児などの貴人が5を担うのだろう。「水生木」と違って「金生水」は祭祀のときにしか発動しない。
奥行きを2間にしたのはなぜか。2は火気なので「水克火」(すいこくか)の相克の関係となる。相克とは水気が火気を滅ぼすといういう意味だ。そのことと子安信仰とは関係がない。ならばなぜ2間にしたのか。それは次回に謎をとく。
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