2019年5月29日 (水)

鈴木隆之「未来の地形」講談社1992年

 おもしろかった。建築家の書いた小説という触れ込みだったが建築はほぼ出てこない。片岡義男に似た乾いた情景描写が心地よく、気が付いたら物語のなかへ引き込まれていた。3本目の「ダブル・スコア」が一番おもしろい。嫌味なI助教授ときっぷの良いシノブそれぞれのキャラがよかった。3本とも主人公が観察者の位置からほぼ動かないのが気になるがそういう作風なのかも知れない。(2019.05.20読了)

 鈴木隆之の建築の仕事はよく知らない。1961年生まれとあるから私と同世代だ。京大卆だそうだからどこかでお会いしているかも知れない。1987年群像新人文学賞を受賞。私が3留年の後ようやく卒業できて設計事務所に就職したころだ。収録3本は1989ー1992年に「群像」に掲載されたもの。

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