尾道雑感(2)山側も意外と新しい
旧街道沿いが大正期のものがよく残っていることと対応しているのだろうが、山側も明治後半から昭和初期にかけてのものが多いように見える。江戸期の絵地図をおのみち歴史博物館で見たが当時は斜面地は社寺の境内が占めており住宅はほとんど見当たらなかった。
志賀直哉旧居の長屋が斜面地では古いものになるだろう。志賀の来訪は大正元年なので長屋は明治後半の建物だと思う。やはり明治後期から開発が本格化し大正期に一挙に広がったのではないか。このあたり神戸の開発史と似ている感じがする。
小規模で無計画な開発が繰り返された結果、魅力的な迷路が生まれた。映画「耳をすませば」の舞台となった東京近郊の丘陵地(おそらく多摩方面だと思う)も迷路のような坂道のあいだに大正期の洋館が見え隠れする。それと同じ風景がここにある。風景がおなじだということは町の歴史も似ているということだろう。 そして映画と同様、この町も猫が多かった。(つづく)
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