2018年2月25日 (日)

花山天文台本館

 30年ぶりに訪れた。曲面で構成されていておもしろい。出隅だけではなく入り隅も曲面にしているのが芸が細かい。内部は壁と天井の境目も曲面になっていて未来感が強い。サッシを入れ替えるなど大規模な改修を受けているが丁寧な修復でありがたい。

 ずっと大倉三郎の設計だと思っていたが、はっきりわからないらしい。京大は図面を持っていないのだろうか。図面があれば印があるだろうに。近代化遺産リストでは京大営繕課とある。当時の職員構成は次のとおりだ。

    顧問 課長 技師
1927 武田 永瀬 なし 陸軍が花山道路を造る
1928 武田 永瀬 大倉
1929 武田 武田 大倉 花山天文台竣工

 文献には2年から3年にかけて設計したとある。着工は3年だろうから永瀬が退任する直前だ。永瀬の手掛けた阿蘇山の京大火山研究センター(1928)の窓割りが花山天文台と同じなので、これも永瀬の設計でよいだろう。

 ただし入り隅や内部まで丸くしたのは大倉だったと思う。大倉ならやりそうだ。彼はそんな男だ。


180220
2018.02.20/ワトソン紙ハガキサイズ、グラフィックペン0.3、固形透明水彩/京都市花山天文台

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