小野不由美「図南の翼」
これを読んでいると言ったらかみさんが「最初から?」と尋ねる。「?」 聞いてみるとこの本は十二国記というシリーズもので読む順番があるのだそうだ。そんなこと知らなかったが、これは単独でもちゃんと読めた。
小野不由美も初めて読む。おもしろかったので続きも読みたい。
中華風の世界観なので、難しい漢字がいっぱい出てくる。女性に人気、ファンタジー、難しい漢字というのがつながらない。わたしは半分読んでも主人公の名前の読みを覚えられなかった。ただし文章は平易で分かりやすい。さすがエンタテイメント小説だ。ワクワクドキドキのスリル満点の冒険活劇小説だ。
小野不由美は1988年に講談社X文庫ティーンズハートでデヴュ。これは少女小説系のラノベレーベル。他大学ながら京大推理小説研で活動したそうだ。そのころの作品を読んだ講談社の編集者から声がかかったとウイッキにあった。翌年「悪霊シリーズ」がベストセラー化し一躍人気作家となる。十二国記は1992年からでシリーズ未完。
ずっと受賞歴がなかったが、2013年「残穢」で山本周五郎賞を受賞した。デヴュ25年目の受賞である。こういう時代小説とファンタジーのあいだのような小説は酒見賢一や高田大介を思い出す。ものすごく売れるけれどなぜか出版界から冷遇されている。なぜだろう。遅筆だからかも知れない。
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