梨木果歩「裏庭」
ファンタジーだった。異世界と現実とで書体を替えているのが珍しい。現実のドロドロが異世界で解き明かされていく対比がおもしろかった。
名前の設定に凝るあたりは平山夢明の「ダイナー」主人公オオバカナコを思い出した。梨木果歩は前に「リカさん」を読んだことがある。人形たちの物語でおもしろく読んだ記憶がある。
梨木果歩は35歳のときに「西の魔女は死んだ」でデヴュ。ベストセラーとなり翌年第28回日本児童文学者協会新人賞・第13回新美南吉児童文学賞・第44回小学館文学賞を総なめした。同年「裏庭」を出版し第1回児童文学ファンタジー大賞を受賞。世に出てから賞が追い付いていく珍しいタイプの小説家。
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