2017年4月19日 (水)

東京国立博物館は思っていたのと大分違った

 東博は思っていたより装飾分解が進んでいた。もうほとんどモダニズム建築と言ってよい。真っ白な玄関ホールは見ごたえがあった。階段親柱の真鍮製のアールデコ照明もなかなかよくできていておもしろかった。ただしホール全体は様式建築とは思えないほど装飾が少ない。やはりこれは古典の範疇ではないだろう。わたしは漠然と東博は様式の精華だと思い込んでいたが、それが間違いだった。ここにはもっと戦後モダニズムと同じような豊かで清澄な空気が流れている。奈良の大和文華館なんかが似ていると言えばお分かりいただけるか。

 写真はタテ樋の風変りな取り付け方。手すりにジョウゴが取りついている。その後ろは柱だ。いったいどうなっていえるのか。全館にただよっているチグハグ感が、この納まりによく現れていると思った。装飾分解はやり過ぎるとチグハグ感が強まるのだ。渡辺仁のような名手だからこそ陥るワナと言うべきかも知れない。それはそれでおもしろい。

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2017.04.14

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