2015年12月16日 (水)

非常勤講師室

 いつもより1時間早めに非常勤講師室に入った。講師室は6つのテーブルに4つづつイスがあり先生方の席はほぼ同じところに座る。決められているわけではないが決まっているわけだ。最初は気づまりなだけだったが、こうして観察していると、なぜそういう配置になったのか興味が湧く。
 きょうは少し早いので空席が多かった。いつも勉強している黒縁メガネの若手の数学の先生と年配の数学の先生が定位置についていた。黒メガネはあいかわらずノートを広げてメモをしている。驚いたのは年配の先生がまったく動かないことだ。この先生はいつも黙って宙をにらんで身動きしないことは知っていた。それを1時間も前からそうしていたとは。
 年配の先生は中肉中背で体格が良い。ラクビー部の監督と言われても納得するだろう。白髪まじりで品のいいグレーのジャケットひっかけている。机の上にはノートと古びた教科書が置かれているが開いているところを見たことが無い。
 しばらくすると黒メガネが立って監督に近寄った。黒メガネが歩きまわっているところを見たことがなかったが、結構背が高い。わたしより高いのではないか。色白で八瀬ているのに二の腕が女のようにぷくぷくしている。彼は監督のかたわらに立っいきなり言った。

「ひとつ教えていただきたいことがあるのですが」
「どうぞ聞いてください」

 監督は楽しそうに答えた。いつも無表情で座っている監督が普段は笑顔で会話する人だと初めて知ってまた驚いた。このふたりはどういう関係なのだろう。離れて座っているので同窓というわけではなかろう。会話の内容は聞えなかったが、どうやら学生の指導方針についての相談だったようだ。

「ありがとうございます」
「いや」

 黒メガネはまた席に戻り監督はまた黙り込んだ。わたしは原稿を書いていたので、それきり二人のことは忘れていたが、これは結構おもしろい発見なのではないかと後から気づいた。これからしばらく早目の入室をこころがける。続報を待て。
 

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