2015年9月 7日 (月)

金沢めぐり(3)主計町茶街の路地

 主計町と書いて「かずえまち」と読む。主計はもともとこの土地に屋敷を構えた藩士の名前だそうだ。保存修景で有名な東町の対岸にあり、ここもお茶屋や料亭の並ぶ花町である。ここは路地がすばらしくおもしろい。がけ下の立地なので、路地の先に石段が見えたりするのがとても良い。

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 金沢では東町を中心に花町の修景が進んでいるのを目の当たりにした。京都とは比べ物にならないような細やかなデザインコードがあるらしく、雨戸や格子がほぼ同じもので復元されていた。でも復元されたお茶屋建築の中身はプレカット木材を金物で押さえたものがほとんどでがっかりした。なぜ伝統木構造で復元しないのか。

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 もともとベネティアで行われているような保存修景は、ガラリ戸ひとつも伝統工法で再現することで後進の養成を行っている。それは建築が文化の重要な一部であり、それが失われるのは市民にとって大きな損失だという認識があるからだ。つまり保存しているのは見栄えの良い景色ではなく、それを作っている建築文化のほうなのだ。

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2015.08.31、金沢市主計町

 こうした伝統木造建築の集積地は貴重な教材だ。ここに建築学校を作って、修復や復元は先輩職人衆の下で学生たちが手掛けるのが良いだろう。大工職だけではなく、左官、建具、鍛冶、表具、瓦などあらゆる建築職人の養成場所にすればよいとわたしは思う。

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