2015年2月 6日 (金)

漆喰について

 漆喰協会の鳥越さんから楽しい質問をいただいた。漆喰の材料は「消石灰・のり・麻すさ」の3種だが、この取り合わせに風水的な意味があるのかというものだ。消石灰は石灰岩を焼いてくだいた後で水分と反応させたもの、のりは海藻を煮詰めて濾したもの、麻すさは麻の繊維を細かくしたものだ。さてどんな意味があるのか。少し考えたことをメモしておく。

 五行説は木>火>土>金>水と別の気を次々生み出していくと考える。また木>土>水>火>金の順で相手を滅ぼしていくと考える。このふたつの循環で世界を読み解こうとする考えだ。五行説は西洋の錬金術とよく似ていて、ある種のものを混ぜ合わせると別の新しいものが生まれると考える。この場合も何か新しいものが生まれた可能性はある。そこでまず3種の材料がそれぞれ何の気に属しているかを確かめておきたい。

 まず消石灰だが、これは土気だろう。岩の状態なら金気だが、それを火で滅ぼしたので土気に分解してしまっている。そもそも「灰」は土気を代表する呪具だ。わざわざ「石灰」と名付けているので土気以外は考えられない。分解するとひとつ手前の気に戻ることは今まで考えたことが無かった。たいへん興味深い。

 のりは木気でよいと思う。海藻の状態だと当然木気だし、それは金気の作用が無ければ分解できない。煮ただけでは木気のままと考えて良いだろう。麻すさは土気だと思う。ほこりのようなものは土気の呪具として用いられる。「すす」がそうで、年末のすす払いも春を呼ぶ祭事だと言われている。

 そうすると漆喰の材料は土気と木気だということになる。実際は水でこねるので、ここへ水気を加えてもよいだろう。水気・土気・木気だと水気が木気を生み出す形になる。この場合の土気は土用と言って別の何者かを生み出すための触媒の働きをする。木気は春や生命の誕生を意味するからおめでたくて縁起がよい。

 この取り合わせにはそうした意味があるのかも知れない。しかしわたしは単純に漆喰は土気で良いのではないかと思う。水気や木気よりも土気の量が圧倒的に大きいからだ。すさやのりが無くても漆喰は成立するのではないか。

 土気の作用はふたつある。ひとつは金気を生むこと。漆喰の使われる土蔵は金蔵や米蔵だろう。わたしは米は金気だと考えているが、土気を使えばそうしたお宝を増やす呪術になる。また金気は水気を生むので防火の意味もあるだろう。漆喰の白は金気を、黒は水気を表すので漆喰を塗ることで土蔵の防火効果を高めようとしたのだろう。

 もうひとつは水気を防ぐことだ。高倉であれば湿気を防ぐことができるが火に弱い。土蔵なら火には強いが湿気を寄せてしまう。そこで漆喰を使って防湿をはかったのではないか。ある種の防水シールとしての使いかただが、漆喰の用途は防火よりも防湿のほうに重点があったようにも見える。五行説は紀元前5世紀ごろに現在の形になったと言われるが、そのころに防水用の漆喰はすでにあったのかも知れない。

 漆喰を易で読めばどうなるか。これはまた別の話なのでお望みがあれば書いてみたい。

 

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