村上龍「半島を出よ」(上)(下)
冒険小説である。村上龍は初めて読んだがおもしろかった。上下に分かれて長編の部類だろうが、ライトノベル並みにどんどん読める。何がおもしろいかと言うと、世の中から役に立たないとレッテルを貼られた少年たちが世の中がひっくりかえる危機に直面して誰も動けなくなったときに大活躍するところだ。本人たちは変っていないのだけれど、社会状況が変わることで天才として立ち顕れる。この逆転が胸をすくように気持ちがよい。
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