2014年10月30日 (木)

中国旅行記(5)市内観光・胡雪巌故居(旧胡雪巌邸)

 建築の話のつづきをしよう。

 河房街の郊外、五重塔の隣に胡雪巌(こせつがん)故居という19世紀末の大商人の邸宅が残っている。河房街の薬市場は彼が建てたものだそうだ。きれいに修復されていた。柱はほぼすべて根継がされていた。根継の位置は柱によってまちまちだが、おおむね人の背よりも高かったので相当傷んでいたのだろう。継ぎ方は追っかけ大栓継ぎだった。

 建物は河房街の町家と同じ構造で高い塀と木造家屋の組み合わせだ。少し違うのは、60メートル四方ほどの屋敷地が弁当箱のマス目のように高い塀でいくつにも仕切られていることだ。マス目の半分ほどが家屋となり残りが庭となっている。マス目が迷路のようにつながっていて進むにつれて違う表情の庭が現れるのでワクワクした。現代建築より市内観光を選んで良かった。


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2014.10.17


 もっとも奥に太湖石(たいこせき)を使った庭園があった。太湖の底には巨大な洞窟があって龍脈に通じていると考えられていた。そこで採れる太湖石は穴がたくさん開いた石灰岩だが、その穴が洞窟に見えることから石そのものも龍穴のパワーを秘めているとして珍重された。その石をふんだんに使って洞窟のある岩山を作っている。ようするにこの庭が龍脈に通じるパワースポットであることを示しているわけだ。

 この屋敷はこの庭を核として作られており、そこから各マス目に気が流れていくように仕組まれているように見える。屋敷を囲む高い塀は機能的には防火壁なのだろうが、気を散らさないための風水装置なのかも知れない。


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池に面して太湖石の岩山が作られている

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ヨーロッパのグロッタ(洞窟庭園)を思い出させる


 調理場が復元されていたのが興味深かった。かまどは日本のものとよく似ているが、焚口の上についたて状の壁が立っていた。天井が高く煙抜きは無かった。水屋が3本と調理台があった。井戸は前庭の隅にあった。


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かまどの前と後ろ

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調理場全景と水屋


 あといくつかおもしろいと思ったことをメモしておこう。

 坪庭の多くが石張りになっていて雨水を溜めるプールになっている。まるでアルハンブラ宮殿のようだ。


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一段下がったところに水が溜まる仕組みだ


 ガラスは透明と青色の2種の組み合わせだ。ガラスには模様が描き込まれていた。ガラスのペインティングも結構おもしろい。青は龍を示す色だから使っているのだろう。


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 陶器製の手すりがあった。竹を模しており、これも青色だ。白黒の玉石を使ったペーヴメントも美しかった。


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 客用スペースの壁はほとんど青緑色の凝灰岩のような石が使われていた。これも有名な石なのだろうと思う。張り方をいろいろ工夫していて、それを見て歩くだけでも楽しかった。


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