2014年10月30日 (木)

中国旅行記(4)市内観光・河坊街(カボウガイ)

 建築についても書いておきたい。

 西湖の東に歴史街区の河坊街(カボウガイ)がある。大運河と西湖との接点に位置する交易都市だ。わたしは杭州は塩貿易の拠点だったのではないかと思う。元は幅10メートルほどのメインストリートのまんなかを運河が流れていたようにわたしには見える。今はテーマパークみたいになっているが立ち並ぶ町家はほとんどが古いのものだったのでうれしい。元平家建てだったものを19世紀末から1920年代のあいだに総2階に改造されたように見える。このころに平屋だった町家が2階建てに入れ替わるのは京都と同じだ。


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2014.10.17、中国杭州河坊街


 ていねいに修理されていて構造がよく分かる。隣地境界にレンガの壁を立てその内側に玉石を置き柱を立てて家を建てている。中国民家はレンガ造りだという先入観があったが杭州の古い建築はどれも木造だった。2階の胴差しを通し柱にほぞ差しにして込み栓で留めている。日本と同じだと思ったが、いやいやこっちこそ本場だと思いなおした。込み栓は日本のように切らずに長いままにしてあるのがおもしろい。


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 通りに面してはほぼ開口部で、特に2階に意匠性はすばらしい。飾り手すりと飾り桟のガラス窓で構成されており、わたしは19世紀末のニューオリンズの街並みを連想した。


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河坊街の薬屋


 メインストリートから魅力的な路地が広がっておりいつまでもスケッチしていたかった。自由時間が1時間しか無かったので1枚だけ描いた(参照)。15分ほどのスケッチだが何人も見に来た。見られると緊張もするがうれしい。あとで市内観光組の学生さんたちに見せたらみんな尊敬してくれた。芸は身を助けるというが芸は旅を助けるのかも知れない。


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 路地には境界壁が面しているから、ここだけ見ればレンガ造りみたいに見えるが先述したようにそうではない。壁はレンガもあったが、基本的には磚(セン)のようだ。磚とは瓦の一種である。この路地の磚はレンガの寸法をしていたので19世紀以降のものだろう。


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境界壁はレンガではなくレンガ型の磚(セン)だった


 メインストリートの中ほどに巨大な壁面があって、てっきり劇場だと思ったがこれは薬市場だそうだ。河坊街は漢方で有名な都市だそうだ。白蛇伝に薬草が出てくるのはこの町の主産業と関連していたわけだ。

 近代建築も5~5棟見かけたが、いずれも木造の表だけモルタル壁にした看板建築だった。日本の看板建築と意匠的に共通するものがあり興味深い。


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右)薬市場の入り口はメインストリートと直交する旧街道に面している

 
 魅力的なカーブを描く旧街道に吸い込まれるようにして曲がっていくと鼓楼と五重の塔の前に出た。ここが河坊街の入り口らしい。どちらも復元再建されたものだがよく風景になじんでいる。どちらも木造部分に関しては伝統木構造で造られていた。なかなかいい感じだ。雷峰塔もそうだったが中国の復元技術のレベルは高いと思う。


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鼓楼、2002年復元


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鼓楼の外にある五重の塔

 

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