2014年10月 7日 (火)

古民家再生協会・近畿地区大会

 京都府与謝野町の加悦町ちりめん街道で、古民家再生協会の近畿地区大会が開かれた。とても楽しかったので感想などをメモしておく。

 今回担当が私たち京都府古民家再生協会だったので、北部支部を中心に準備をしてもらった。北部は養蚕によって地域経済が活性化した江戸時代後半に古民家形式と集落風景が完成している。私は北部の例会に参加するごとに北部の魅力にとりつかれた。京都の再生協会の本部は北部に置いたほうが良いのではないかとさえ思う。今回の地区大会の成果は最近活動が活発になってきた北部支部の活躍だったと思う。北部のみなさんありがとうございました。

 大会は講演2本とちりめん街道の見学だった。講演のひとつは私たち京都のメンバーの地盤機構の田中さんだった。加悦町は昭和2年の丹後震災の震源地に近かったがほとんど被害が出なかった。昔の人は地盤の良さをよく知っていたわけだ。田中さんの活動はそうした昔の知恵を現代によみがえらせようとしているとも言える。京都府北部地区の地震、浸水の過去事例を見せてもらいながら説明を受けるとそれがとてもよく分かった。田中さんありがとうございました。

 NPO法人ちりめん街道未来塾の田中東さんのお話しはとても興味深かった。利害の対立を乗り超えて伝建地区指定の賛同者を住民の8割まで得たお話しは圧巻だった。伝建地区になれば外観修理の国庫補助がつく。けれどすでに建て替えた家も多く全員が国庫補助の恩恵受けるわけではなかった。伝建地区になれば改築制限も受けるというデメリットもあった。困難な状況のなかで「景観こそ住民共通の財産だ」という共通の利益を見出すことで合意形成のプロセスを実践した上田さんらの活動が私はとても興味深かった。上田さんありがとうございました。

 ちりめん街道を歩くのは3度目だ。何度歩いても発見がある。今回は上田さんに案内してもらったので、いろんなことが分かった。貴人用の「露地門」、窓の光線反射板を備えた「機屋窓」、過去に建っていた3階建ての「丹頂閣」。いずれも明治以降のものだ。ここには5つの旅館があったという。独自の金融機関を持ち、地元資本で鉄道を敷いた明治時代ちりめん街道の風景が目に浮かんでとても楽しかった。上田さんありがとうございました。

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ちりめん街道旧尾藤邸照明器具

 

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