月見団子の意味
今宵は仲秋の名月が見事だ。満月を眺めながら月見団子の意味を少し考えたのでメモしておく。
名月は白く透き通るように輝く。団子がこれを模していることは明らかだろう。仲秋とは秋の真ん中という意味だ。秋は旧暦7,8,9月だが8月の15夜はちょうど3か月の真ん中だ。秋は金気の季節なので仲秋の名月は一年でもっとも金気が満ちる時となる。これが謎解きのための最初の条件だ。
形や色は五行それぞれに配当されているが、丸い形や白い色はどちらも金気を表す。金気の満ちる8月15夜の真ん丸で真っ白な月は金気を象徴する。だから月見団子は満ちた金気を象徴する呪具となる。これがふたつめの条件となる。
ここからは私の推理だ。結論から言えば、お月見は豊作を祈るための祭りだと思う。春夏秋冬はそれぞれ発芽、開花、実り、種が割り当てられるので秋は実りの季節となる。すなわち実りは金気の作用と考えられていたわけだ。この場合の実りとは稲を指すと思う。お月見の元々の形は金気の満ちる8月15夜に金気の呪具たる団子を稲穂にささげるものだったのではないか。金気の作用が十分に稲穂に伝わって豊作になるよう祈るのである。
月見団子にススキを添えるのは稲穂の代わりだろう。ススキが選ばれたのは第1に白いこと、第2にホウキの形をしていることだと思う。ホウキは埃を集める道具、つまり土気を集める呪具と考えられていた。金気は土気から生まれるから、団子にススキを添えることで団子の金気はさらに強力となる。実りの季節に金気を精一杯強化しておいて祈ることと言えば豊作以外にはなかろう。
ちなみに年末の大掃除は土気を集めて春を呼ぶためだと民俗学者の吉野裕子は言っている。大掃除をススハライと言うが、このススとはかまどのススのことで土気を象徴する。ススキはスス掃き、つまりホウキを意味するのかも知れない。西洋でもホウキは魔女の使う呪具だった。魔女についてよく知らないが、「魔女の宅急便」で見習い魔女のキキがとっさにデッキブラシをホウキの代わりに使うところは、呪具の意味をよく捉えていて好きなシーンだ。
もうひとつ。月見団子にあんこを入れるのは甘さが土気の作用だからだろう。土気を団子に仕込むことで金気を強化するわけだ。
もうひとつ。団子は三方に盛られるが、この場合の数は金気を象徴する4、9、13もしくは土気の5、10、15がふさわしい。1段目が3X3の9個、2段目が2X2の4個だとちょうど良いが、3段目に1個を置かないと形が悪い。そうすると合計が14個になって意味が無くなる。
もうひとつ。月見団子とヘビの卵との類似が気になる。ホウキは古語でハハキだが、ハハはヘビの古語でもある。意味は分からない。
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