向日神は木気の神さまなのか
毎朝、向日神社まで散歩している。向日神について考えたことや分かっていることなどをメモしておきたい。
向日神社のご祭神は向日神、玉より姫、神武天皇、火雷(ほのいかづち)神の4柱とされている。元は最初の3神が丘の上、火雷神が丘の下に別々に祀られていたと説明板にあった。つまり向日神と言うときは向日神・玉より姫・神武天皇の3柱を指すわけだ。
これは八幡神の構成とよく似ている。八幡神は、ひめがみ・神功皇后・応神天皇の3柱で、神功皇后は応神天皇の母親だ。同様に向日神の玉より姫は神武天皇の母親である。つまり、神・母・子のセットになる構成が同じなのだ。宇佐八幡宮が整備されたのが720年の隼人征伐のころと言われるが、向日神がここに祀られたのは718年(説明板)でありほぼ同時期だ。3柱セットはそのころの祭祀の標準だったのだろう。
ちなみに向日神社と伏見稲荷とは京都盆地の東西に分かれて対面しているが、稲荷神が祀られたのは711年なので向日神社と同時代である。おそらく朝廷の宗教政策の一環として順次計画的に祀られたのだろう。
さて、説明板には向日神は大歳神の御子とある。大歳神とは暦をつかさどる神で木星の化身とされる。五行のなかでなぜ木気だけが暦と結びつくのかよく分からないが、大歳神は穀物の神さまでもあるのでそのせいかもしれない。向日神はその御子なのでわたしは木気だろうと思っている。
おもしろいのは向日神社のある丘陵を勝山(かつやま)と言うことだ。これには秀吉にまつわる地名伝説がある。遠征途中にここに立ち寄った秀吉が地名を尋ねたのを受けて地元の古老が機転をきかせて「勝山」だと答えたというものだ。もちろん遠征に勝つことにひっかけた答えであり、勝山とはその古老の発明だというわけだ。
勝山という地名が秀吉と本当に関係があるのかどうか分からないが、五行で考えれば勝山とは木気の作用を示す。山は土気なので「山に勝つ」とは「土に克(かつ)」、つまり木気による木克土(もっこくど)の相克関係を示すのだ。勝山という地名も向日神が木気であることを示しているように見える。
よく分からないのは次の3点だ。
・ なぜ木気の神さまが祀られたのか。
・ 境内に隣接する乙訓地方でも最大級の元稲荷古墳と向日神との関係。
・ 下社であった火雷神と上社であった向日神との関係。
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