2013年10月24日 (木)

京都のまちづくり授業6日目レジュメ

 今回は古道具市の天神さんのスライドを見せる。聖武帝はバザールの意見に従って恭仁京から奈良へ還都した。市人にはそれだけの実力があったわけだ。貢献物の換金が都城の市場の重要な役目だろう。わたしは市人が町衆になったと考えている。天神さんが神社の直営ではなく、出店者たちの自主組織によって運営されていることに町衆の原型をわたしは見ている。そんな話をしておきたい。


■ 京都のまちづくり(6) 2013.10.25

1.地図読みテスト 
質問コーナー

2.洛書のおさらい
・洛書(らくしょ)、洛水から表れたカメの背中にあった数表。世界の構成を示すとされ、河図(かと)と並んで図書と称された。
・洛書はすべての行、列、対角線の3つの数字の和が15となる魔方陣(マジックスクエア)の一種。15は1から5までの生数の和で宇宙そのものを示す。
・奇数×奇数の魔方陣の作りかた 1)下段中央を1とする。2)右下に次の数字を置く。3)最下段の下は枠外なので上段に読み替えるので2は右上に置く。3)3も枠外なので左端に読み替える。4)右下が埋まっている場合は真上におく。従って4は3に上になる。
・陰陽五行説、河図洛書、易経は別紙のような関係がある。この関係を応用して祭祀や都市を設計してきた。

3.北野天神の古道具市「天神さん」
・天神さん毎月25日に北野天神で開かれる古物市。西日本各地から古物商が集まる。境内参道が二十五日講、御前通りが西陣露天商組合が運営している。
・弘法さんは毎月21日に東寺で開かれる古物市。天神さん同様、西日本各地から古物商が集まる。運営主体は東寺出店運営委員会。
・天神さんは市場の原風景である。聖武帝は市人の意見を聴いて恭仁(くに)京から奈良へ都を戻した。市人には都を動かす力があったということだ。市は全国から集められた貢ぎ物を流通させるのが第一の役目だったろう。都は国家の平和を祈るための呪具(じゅぐ)であるとともに、律令国家を運営するための経済的な仕組みだったわけだ。わたしは都の市人が町衆(まちしゅう、ちょうしゅう)の原型になったと考えている。天神さんなどの伝統的なバザールが寺社の直営ではなく、自主的に組織された組合で運営されているのはそのことを示している。

(以上)

Katorakusyo

 

|

陰陽五行説」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 京都のまちづくり授業6日目レジュメ: