2013年3月 9日 (土)

建築探偵の写真帳 丹後大宮駅のプラットフォーム待合所

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2013.02.07、京都府京丹後市

 窓がアルミサッシュに替わったのと、屋根が波形スレートに替わった以外は元のままなのがうれしい。標準設計なのだろうが優れた木造モダニズムの作例と言えよう。おもしろいのはトラスが和小屋であること。この地域はもともと木材の産地だから、標準設計にも地域性が反映しているのかも知れない。

 待合の入り口に半外部の廻廊のような部分があるのがおもしろい。その日の天気や気温や風などの環境や居合わせた者たちの個体間距離に応じて心のままに使うことができる。雪の日、突然の雷雨、そのときどきの状況に応じて、偶然ここに立つ人たちのようすはまるで舞台ようではないか。

 モダニズムは本来そうしたムードに流される物語性を排除しようとしたはずなのだが、こうした作品を見ていると戦後日本の木造モダニズムには濃厚なドラマ性があるように思えてならない。映画的と言ってもよいだろう。待合の後ろに写っている樹はもちろんサクラである。一面にサクラの舞い散るなかの待合所の風景は、もうそれだけで映画のエンディングになるだろう。


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