2012年11月 5日 (月)

建築探偵の写真帳 京大大学院農学研究科附属農場2

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2012.11.03

 廊下の天井は梁を見せており、付け根に飾りの持ち送りが付いている。2階の教室も初めて見せてもらった。こじんまりとした使い易そうな教室だ。壁際で斜め天井になっているのは、おそらくトラスの振れ止め用の方杖が入っているのだろう。耐震木構造になっていると思われる。各部屋の窓上の位置に横棒が入っているのはピクチャーレールで、これを入れるのが武田グループのならわしとなっている。階段の手すりは平たくて握りやすかった。上がり際の親柱が下細りの円柱になっていてかっこいい。こういうスマートなところが大倉三郎らしいところだ。


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 この建物はスパニッシュかと単純に思っていたが、よく見ると少し違っていてどちらかと言えばスイスの古民家のスタイルに似ているように思う。そう言えば武田がスイス建築について言及していたような気がする。実際、日本の関東北部の山岳地方の建築なんかはスイス建築にそっくりだったりする。ヨーロッパには木軸文化が残っていて、それと日本の技術との共通性を武田たちは見ていたのではないか。


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左)西側平屋、右)東側平屋

 農場には大小いくつもの建物があるが、人間用のものだけ瓦葺きになっている。中央の教室棟のほかには農夫住宅のような平屋があって、そっちも美しい。教室棟とセットになって、田園都市風の麗しい町並みを成している。


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左)小窓、右)庇方杖、どちらも西側平屋玄関まわり

 わたしは田園都市論そのものには懐疑的だが、武田たちが木材の生産から都市づくりまでを視野に入れて農学部の創設にかかわっていたことは分かる。農業と建築の関係は高度成長期にとぎれてしまった。武田たちのやり残したことをわたしたちが引き継ぐ時が来ているように思う。

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