建築探偵の写真帳 岡崎公園の洋館
わたしは脳内補完をしながら建築を見ている。たとえばこの洋館だとどうなるか。まず2階の窓下の外壁は下見板張りで黒いオイルステン塗りで、その上は白いスタッコ塗りだ。窓割りがもっと小割りでよろい戸がつく。屋根は赤瓦だったろうけど、残念ながら景観条例のためにもう復元できないな。軒下は今と同じ黒いオイルステン塗りのままだが雨樋は銅製がよいだろう。高い塀は見通しのきく鉄柵でバラが這っている。元がそうだったかというよりが、そうしたほうが素材が活きると思う補完だ。
興味深いのは2階の出窓で、元からこうだったのだとすればとても珍しい。少なくともこの窓は木製建具に戻してやりたい。3面のガラスの内の正面のはめごろしは格子窓だろう。そうすればフィリップ・ウエッブ流の洋館になる。アーツアンドクラフツムーブメントの流れを汲んでいるな。アメリカ屋かな。
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