2012年6月28日 (木)

建築探偵の写真帳 京大法経済学部本館

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2011.05.24、京都市左京区

 階段を見上げたところ。ラセン階段が美しい。大倉三郎は生駒時計店の管理用階段でも同じようなことをしているね。こういうのが好きだったわけだ。もちろんわたしも大好きだ。

 さて、有名な法経済学部本館だが、こいつの表玄関はどこかと問われると答えるのに難しい。この建物はけっこう巧みなプランをしていて大仰な玄関ホールをもたないのだ。


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 左上の写真を見れば誰でも左側の小庇のついたところが玄関だと思うだろうが、入ってみると吹き抜けの階段室でくだんのラセン階段があるばかりだ。ホールとはそこから館内くまなくアクセスできる場所なのだからここはホールではない。ではどこが表玄関なのか。

 強いて言えば、中庭に面した廻廊がそれに当たる(写真右)。ここが一番学生の往来が多くて、突き当たりから建物内部へ入れる。そこにエレベータホールがあって各階教室へアプローチできる。でもそこはあくまでエレベータホールであって大仰な玄関ホールなどは無い。

 大倉は玄関ホールの代わりに廻廊を作った。さりげなくベンチがあって、ゆるやかな風が吹き抜けていく。彼は京大や同志社の校舎を数多く作ったが、こういう廻廊的な部分が必ずある。キャンパスをベネティアのような都市として構想していたのだと私は思っている。おもしろい。

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