建築探偵の写真帳 戦後ビル編 ヤンマー本社ビル
前から気になっていたビルだ。連窓のシンプルな構成で、窓と壁の比率がほぼ同じに見える。窓の途中がとぎれてバルコニーになっているあたりの扱いもうまい。地味だけど嫌みのないきりっとした大人のデザインだ。
定礎から1961年の建築だと分かる。タイルも竣工当時のままに見える。低層はチョコレート色のタイルで、上層は白っぽい磁器質タイルだ。50年前のタイル壁が残っていることは珍しい。60年代のタイル工はけっこうしっかりしている。
今はもう空き屋になっている。本社移転の告知によれば茶屋町地区土地区画整理事業により建て替えるとあった。大阪駅かいわいの再開発は複数が同時に進行しており数年で様変わりすることだろう。そのことにようやく気づいた。
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