2012年2月 3日 (金)

五行説メモ 桃太郎

 コンフォートライフの奥田さんが桃太郎のことを書いていたので(参照)、気づいたことをメモしておく。

 桃太郎のお伴が西を示すことはわたしも気づいていた。桃そのものも金気であるというのはそのとおりで、邪気を払うというのは古事記のヨモツヒラ坂の神話からきているのだろう。ヨモツヒラ坂で黄泉の国から逃げてきたイザナギが桃を投げて追っ手の鬼を足止めする話だ。ただし桃太郎の話は分かりにくいところがあってずっと考えている。ひょっとするとこれはふたつの物語を合わせているのかもしれない。

 桃太郎が金気だとすれば、こらしめる鬼は木気でなければならない。生命の源である木気をこらしめるとはおだやかでない。実はさるかに合戦も同じで、攻める側は石臼だの蜂の針だの金気だらけだ。強すぎる木気は土気である人体を損なうから土気を強める疫病よけの呪術なのだろうか。

 でも木気そのものを弱めてしまっては元も子もないし、木気をこらしめる祭祀も聞いたことがない。だからこれは単純に金気を送る呪術だったのではないか。金気を遠ざけて木気を強めるわけだ。これが片方の話だろう。

 さて吉備津彦の本地はこくぞう菩薩だそうだ。これは知恵の神で方角は東北に当てられることが多い。九星図で言えば東北は「山」で姿は少年だから、吉備津彦は少年だということになる。桃太郎のイメージはここから来ている。ただし山の属性は土気だから金気の物語とはまた違う話になる。

 牛若丸も同様に都の東北である鞍馬にいて土を表すマジックナンバー5の付く五条大橋に現れる。武神であることも桃太郎とよく似ている。川原が関わるところも桃太郎に似ている。

 彼が会いにいくのは大地の女神イザナミと相場が決まっている。だから鬼のウラは女神なのだと思う。これは易経にいう「地山謙(ちざんけん)」のかたちで、大地の女神と山の少年が揃うことで平和な「謙」の状態を得るという呪術だ。これがもう一方の話なのだと思う。

 桃太郎にはもともと伴がいなかったのではないか。3名の伴は物語上これといったた役回りを果たしていない。金気を表すマジックナンバー4に合わせたかっただけに見える。桃太郎の話は原型から相当変わっていると考えたほうが良い。原型になった昔話をわたしは知らないけどね。

 鬼は陰気を示すわけだから、とくにそれだけが悪というものでもない。逆に陰陽揃わないと気がめぐらない。だから鬼退治という筋立ては後のもののような気がする。もともとは川原で桃を使う祭祀があったのだろう。何を祈るために桃をどう使うのか。鬼をも足止めする桃とはいったい何を示すのだろうか。

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