2012年2月16日 (木)

建築探偵の写真帳 東本願寺の噴水

Honganjihunsui01
2012.04.25 京都市、東本願寺前噴水

 武田五一の設計した噴水だ。噴水をデザインした建築家は珍しい。彼は都市美をずっと考えていたから、橋梁や街灯や記念碑などを積極的にデザインしている。これもそうした都市施設のひとつというわけだ。ちなみに蓮華は戦時中に供出されたらしく、これは戦後の復元だ。

 寺院門前らしく蓮華をかたどっている。以前はもっと高く水があがっており、水の形と蓮華とがよく響き合っていた。円形の池の縁がベンチとしてデザインされていたが、今は花壇がができて近づけない。池のまわりにいくつかの小さな半円形の排水口があったが、それも花壇で隠されている。花壇やめてください。

 もともと東西本願寺の前には広場があった。日本には広場は無かったとかいう人があるがそんなことは無いのだ。本願寺の法会には全国から数万人が集まるので、どうしてもそれだけの広場が必要だったのだ。明治の末に烏丸通りが拡幅されたが、この広場を避けたので通りはここで迂回していた。

 ところが大正天皇の即位式を御所で行うと決まったとき、烏丸通りを行く御料馬車を迂回させるわけにいかず、まっすぐなバイパスを通した。どっちつかずの解決策だったわけだが、そのために道に挟まれた島のようなところができてしまった。それを都市施設として再整備したのが武田だった。

 即位式に合わせて本願寺の山門も再建されることになり。そこへ武田の友達の竹内棲鳳が天井画を描いていた。天女図のための裸婦スケッチを境内のアトリエでしたことが問題視され、結局天井画は完成しなかった。武田の蓮華の噴水は、天女の散華に応じるデザインだったのだと私は思っている。

Honganjihunsui02

|

建築探偵の写真帳」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/210270/54002208

この記事へのトラックバック一覧です: 建築探偵の写真帳 東本願寺の噴水: