建築探偵の写真帳 戦後ビル編 リーガロイヤルホテル
大阪中之島のリーガロイヤルホテルは手もとの資料では1973年、吉田五十八と竹中工務店の設計になっている。ラウンジに面した中庭に瀧が落ちる構成は、京都のフジタホテル(吉村順三、1970)や京都全日空ホテル(富家宏泰、1986)などと同じだ。70年代に流行ったのだろう。
中之島の西のほうにはもう古いもの無いという先入観を持っていたが、それは大間違いだった。行ってみると西館がけっこう古そう。帰ってホテルのホームページを見るとこうある。
1935 新大阪ホテル開業
1963 大阪ロイヤルホテル地鎮祭
1965 大阪ロイヤルホテル開業
1973 新館オープン
武田五一のかかわった新大阪ホテルは1963年に解体されて、その後に西館まわりが建ったわけだ。ラウンジや瀧のある中庭もそのときのものかも知れない。その設計も吉田五十八だったのか。
吉田五十八は関西であれば奈良県の大和文華館や、今はもうないが道頓堀の浄瑠璃劇場・朝日座の設計者として知られる。彼の再構築した和風は、明るくて親しみやすく、それでいて落ち着いた雰囲気があるのでわたしは好きだ。だからこの瀧のある中庭とラウンジも彼の設計なのだと思う。またそのうち調べてみようか。
※ 追記 「ガイドブック大阪の建築、1972年版」を見ていたらデータがあった。1965年竣工、吉田五十八研究室+竹中工務店設計、竹中工務店施工、鉄骨鉄筋コンクリート造地下2階地上14階建て。(2012.01.26)
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