THE 有頂天ホテル (2006)
三谷幸喜はこれが初めてだ。ネタばれのない程度に感想をメモしておく。
役者の無駄遣いだなぁというのが最初の感想だ。見ていくうちにコメディに合う役者とそうじゃない役者の2種類が混じっている気がしてきた。役所広司や松たか子は合わないほうではないか。このふたりがコントをしているとき、どこで笑えばいいのか戸惑ってしまう。それはわたしがツッコミ好きの関西人だからかも知れないが、結局この映画で1度も笑えなかった。ちなみに関西人のかみさんは1ヶ所大笑いしたそうだ。
元になった「グランドホテル」は昔見たことがある。廃業する老舗ホテルの最後の1日を描いたオムニバス映画でコメディではない。事故が起きるシーンだけ覚えている。似たシーンはこの映画でも登場するが全然違う話になっている。
セットが安っぽいのはどうしようもない。わざわざ旧館と断っておきながら三流結婚式場のようなエントランスホールしか出てこない。階段の手すり、シャンデリア、回転ドア、絨毯、壁紙など、せめて押さえてほしかった。これはヲタク的要望だ。
さすが三谷幸喜だけあってプロットに破綻はない。幸せを呼ぶ人形やアヒルが話の節々に現れて筋をつないでいくところはおもしろい。この人の脚本は理詰めの感じがする。役所広司の副支配人が舞台監督の夢に破れた過去をもっていて、その彼がホテルを舞台としてまわりの人間たちの夢を取り戻す人生の演出家を演じている、というコンセプトもよくできている。ただ、コメディなのに1回も笑えなかったのが残念だ。
アヒルのダブダブって声優の山寺宏一だと今知った。やっぱり役者の無駄遣いだ。
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