2023年12月11日 (月)

二条通りの染料店

二条通りは薬屋町だったので、こうした染料店があるのだろう。看板に「製菓用品、香料エッセンス、食料用色素、塗料一式、工業薬品、絵具染とある。東西の壁がレンガ造りのように立ち上がっているのはなぜだろう。防火壁仕様なのかもしれない。東壁のトタンの赤い塗装がいい味を出している。吉田商店(「京都市の近代化遺産」191吉田染料店、大正‐昭和初期)
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2023.11.29、京都市中京区

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2023年12月10日 (日)

大阪北浜の古いビル

北浜あたりは戦前の建物がけっこう残っている。これなど窓のプロポーションが古そうだと思って足を止めたら、頂部に良さげなレリーフが残っていた。ケルト風でおもしろいレリーフだ。「大阪府の近代化遺産」リストの1538番の三共商事という建物らしい。

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2023.12.02、大阪市中央区北浜

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2023年12月 9日 (土)

天理高校は裏側もかっこいい

天理高校の校舎は表から見れば2階建てだが、裏から見ると3階建てになっている。背の高い壁面と3連千鳥破風で飾られた和風屋根とがよく響きあって美しい。軒先がほぼ水平なのもよいと思う。
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2023.12.03、天理高校裏側
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2023.06.23、天理高校表側

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2023年12月 8日 (金)

天理のドーム天井

天理本通り商店街のアーケードとスカイドーム小阪本通商店街のアーケードは交差点にドーム天井がかかっていておもしろい。他所でも見たことがあるような気がする。HPによれば天理のドーム天井は1984年竣工。

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2023.12.03、天理本通り商店街(奈良県)
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2023.11.14、スカイドーム小阪本通商店街(大阪府)

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2023年12月 7日 (木)

親里橋

天理市の布留川にかかる親里橋がおもしろい。鉄筋コンクリートのアーチ橋で、手すり親柱の渦巻が力強くて楽しい。橋の中央に照明塔が立っていたようだ。ランマの鋳鉄飾りもよくできている。

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2023.12.03、奈良県天理市

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2023年12月 6日 (水)

芝川邸廊下手洗いのタイル

ブルーグレー色のタイルをボーダータイルで巻いている。コーナー部はボーダータイルを45度カットして継いでいるのがすごい。

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2023.11.19、岐阜県犬山市、明治村

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2023年12月 5日 (火)

なぜ天理に天理教があるのか?

まいまい京都の天理ツアーに参加していくつか分かったことがあるのでメモしておく。

天理教の中山みき教祖はこの地を人類発祥の場所と定めて「かんろだい」と名付けた六角柱を据えたという。なぜ中山教祖はこの地を人類発祥の地としたのか。それは周囲を歩けば、ある程度分かってくる。

「かんろだい」の据えられた神殿の前を布留川(ふるがわ)が流れている。ツアーで紹介された地名伝説が興味深い。むかし上流から剣が流れていたという。その剣は川の岩を切り裂きながら流れてきたが、乙女の投げた布に留められて引きあげられた。そのときから布留川と呼ばれるという。この伝説に剣が出てくるのは、すぐ上流に剣神フツミタマを祀る石上神宮があるからだろう。

神宮はフルミタマも祀する。神宮のHPによればフルミタマには生命を再生する力がある。フルとは振動の振(ふる)だろう。魂を震わせることで生命をよみがえらせることができる。そのための鎮魂祭(たまふりのまつり)が神宮には今も伝わる。

こうやって見てくればフル川がどういう場所だったか見えてくるだろう。そこは先祖霊を鎮めるための葬送の地であると同時に新しい生命誕生を願う子安信仰の地でもあった。信仰の中心は石上神宮の鎮座するフル森であり、祭祀の舞台はフル川の河原であった。

中山みき教祖のいう人類の発祥とは、フル川で行われてきた生命の再生をいうのではないか。そうであれば河原を望む地に「かんろ台」を立てたのは、これ以上ないくらいに相応しい選地であるといえる。

ちなみに「かんろ」は甘露だろう。甘き露とは生命をはぐくむ生命の水のことである。五行説で言えば水気が木気を生む相生の関係を示す。木気は生命誕生の季節である春に配当される。天理教のご神紋が春を示す梅花であるのはそのためだろう。また6は水気を象徴する数字である。柱が六角形なのは水を象徴させたからと考えられる。

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2023.12.03、奈良県天理市

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2023年12月 4日 (月)

芝川邸の暖炉タイル

暖炉まわりのタイルがよかった。1階暖炉のマジョリカタイル風の白蓮のタイルは特注品だろうか? 型押し成形に見える。床の青タイルも良いが新しいものだろう。2階暖炉の焚口左右の薄い青タイルは古くて良い味出している。

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2023.11.19、岐阜県犬山市、明治村

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2023年12月 3日 (日)

芝川邸と天理図書館

天理図書館のホールの壁が明治村にある武田五一設計の芝川邸の階段ホールの壁と似ている。先日明治村へ行ったので確かめてきた。

芝川邸は壁材に金属粉を練り混ぜて発色させているそうだ。真ちゅう色と銅色の2種類がある。独特の光沢をもった美しい壁に仕上がっている。壁面の丸い模様は、棒状のものを突き当ててねじって再現したそうだ。スタッコ壁の作り方に似ている。

武田はこの技法をどこで得たのか不明だ。天理図書館の設計者である坂静雄は武田の下で構造研究をしていたから、この技法を武田から教えられたのであろう。きょうまいまい京都の天理図書館ツアーなので写真を持っていって見比べてみる。

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2023.11.19、岐阜県犬山市、明治村

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2023年12月 2日 (土)

興福寺中金堂の謎(3)

中金堂のまわりを巡る回廊が居心地がよい。柱も長押も槍鉋(やりがんな)の跡が残っていておもしろい。手で刻んだ痕跡は暖かい表情を作る。

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2023.11.28、奈良市

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2023年12月 1日 (金)

興福寺中金堂の謎(2)

なぜか屋根の勾配が緩い。隣接する東金堂(室町時代再建)や南圓堂(江戸時代再建)と比べるとその緩さが際立つ。

奈良時代の寄棟屋根といえば唐招提寺金堂がある。基本的に唐招提寺をベースにして設計したように見えるが、屋根勾配は唐招提寺よりも緩い。わたしはこの緩さにどうもなじめない。

勾配が緩いので屋根トップの金色の鴟尾(しび)の間隔が狭くなる。この狭さは東大寺大仏殿に似ている。けれどもあれは再建時に大仏殿の巾を3分の2に縮めたからああなっているのであって、本来の間隔はもっと広いはずだ。

鴟尾の大きさは出土物から決めたのかも知れない。もしそうならば、この勾配だと視覚的に違和感がある。こうした違和感は多分にセンスの問題なので学術的な正しさとは基本的に無関係だ。

しかし建築は技術とセンスのかけ合わせだ。学術的な正しさだけでは建築にならない。伝統技能とセンスを兼ね備えた棟梁衆の意見がもっと反映されておれば、こうはならなかったろう。

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2023.11.28、奈良市

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2023年11月30日 (木)

建築探偵、ハイパー縁側に出演!

経歴を語るだけで笑いを呼ぶ建築探偵。1時間収録のうち後半はスケッチ実演。収録は公式に格納されるまでここにあるらしい。

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2023年11月29日 (水)

興福寺中金堂の謎(1)

授業前に時間があったので興福寺へ寄った。新築された中金堂に初めて入った。雑感をメモしておく。

地垂木が丸い。垂木とは軒下に並ぶ細い棒状のものをいう。先にあるのがヒエン垂木、奥にあるのが地垂木だ。先が黄色く塗られているので断面が丸いことがよく分かる。奈良時代の遺構では地垂木が丸いものが多い。中金堂は奈良時代のものの復元なので、とりあえず地垂木は丸くしたわけだ。

なぜ丸いのかは分からない。なぜ平安期以降は四角くなるのかも分からない。わたしは祀る仏が金気であることを表しているように思う。中金堂のご本尊は釈迦如来だったのなら地垂木は丸くなくてもよいのかも知れない。

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2023.11.28、奈良市

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2023年11月28日 (火)

鏡の国の浮御堂

琵琶湖に面した浮御堂は海に向かって開かれている。湖上を行く船から参拝するためだ。昭和9年の室戸台風で流失したが、滋賀県技師の西崎辰之助が昭和12年に再生した。下部がコンクリート製なのは再び流されまいとする切実な思いの表れである。それでも逆光で見れば昔日の面影をよく遺すことが分かる。

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2023.11.23、滋賀県大津市

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2023年11月26日 (日)

神戸モダン建築祭の下見をした(9)

清水栄二のKIITO旧館にもタイルがある。ご覧のようなヴィクトリアン・フロアタイルだ。国産だと思うが色粘土製ではなく釉薬掛けかもしれない。きょう行ったら、しゃがみこんで確かめてみる。

本日、神戸モダン建築祭で新港まわりのガイドツアーをする。楽しみである。

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2023.11.17、神戸市中央区

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2023年11月25日 (土)

神戸モダン建築祭の下見をした(8)

置塩章が設計したKIITO新館の布目タイルがよい。黒っぽく見えるのは濃い緑の布目タイルだ。それが飾り貼りになっていてうわーっと思う自分がいる。絶対にしゃがみこむやつだ。

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2023.11.17、神戸市中央区

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2023年11月24日 (金)

神戸モダン建築祭の下見をした(7)

新館の東側階段は見上げが美しい。とくに最上階からは円窓も見える。円窓は1階にもあって昇り降りの人影が見えておもしろい。通用口際の小窓枠がアールデコ風なのも見逃せない。

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2023.11.17、神戸市中央区

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2023年11月23日 (木)

神戸モダン建築祭の下見をした(6)

新館の置塩章の階段室もいい感じだ。装飾はアールデコ風でなかなかよろしい。

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2023.11.17、神戸市中央区

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2023年11月22日 (水)

【 建築探偵がBS4に出演!】

9/17のまいまい大阪のツアーのようすを取材している。そのあと追加取材で生駒ビルを訪問した。

初放送 11月21日(火)午後9時ー10時
再放送 11月26日(日)午前6時ー7時

新日本風土記「大阪モダン、旅する昭和」
nhk.jp/p/fudoki/ts/X8

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神戸モダン建築祭の下見をした(5)

置塩章の新館側で最初に目につくのが大型エレベータの表示板。既製品だろうが、なかなか楽しい。

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2023.11.17、神戸市中央区

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2023年11月21日 (火)

神戸モダン建築祭の下見をした(4)

旧館のもうひとつの見どころは階段室の三次元アーチだ。天井がアーチになっているが、そのアーチが二次元ではなく三次元に湾曲している。ダイナミックで美しい。これはデザイン上だけの発想ではなく、階段室全体を耐震補強した結果ともいえる。鉄筋コンクリート造りの初期はこうした工夫がおもしろい。

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2023.11.17、神戸市中央区

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2023年11月20日 (月)

神戸モダン建築祭の下見をした(3)

KIITO旧館の清水栄二の装飾は他所では見たことがないような独自のものでとてもおもしろい。外部のものはテラコッタだろう。蚕由来と言われる。上部はクワの葉で下部はマユなのだろうか。なかほどの曲線は絹糸か絹布か。そうしたモチーフをフルーツバスケットのようにまとめる造形力がすごい。

玄関ホールの階段親柱はソフトクリームのように見えるが、これも糸車や絹糸の束をイメージしたものかもしれない。色大理石を積み重ねて磨き上げられている。旧館一番の装飾だとわたしは思う。

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2023.11.17、神戸市中央区

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2023年11月19日 (日)

神戸モダン建築祭の下見をした(2)

KIITOはふたつの建物に分かれている。左側が1927年清水栄二設計の旧神戸市立生糸検査所、右が1932年置塩明設計の国立生糸検査所。

清水栄二(1895-1964)は兵庫県出身の建築家。1918年東大卒。1921‐1926神戸市役所勤務後に独立し御影公会堂などの作品を残した。甲南漬資料館も清水だ。おおらかで自由な作風だが構造は堅実なのが特徴。

置塩(おしお)明(1881-1968)は静岡県出身の建築家。1910年東大卒。1920年まで陸軍営繕課。1920‐1928兵庫県庁勤務し初期鉄筋コンクリート造の建築を多数残した。1928年独立。神戸移住センター、加古川図書館など。

KIITOはこのふたりの建築家の競演が見どころ。まずは清水栄二から見ていきたい。

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2023.11.17、神戸市KIITO

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2023年11月18日 (土)

神戸モダン建築祭の下見をした

初めてのコースなので下見をしてきた。引き込み線の跡が残っていて当初の風景がよく分かった。KIITOは開いていたので見学して、いくつかおもしろいものを見つけた。それは明日以降ご紹介する。

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2023.11.17、神戸市中央区

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2023年11月17日 (金)

旧府警本部のアーチ飾り

府警時代は警備が厳しく写真を撮るのもはばかられたが、府警が引っ越したので初めて近づいてみた。西側玄関アーチの裏側にケルト風の立体彫刻があって驚いた。モリス柄にも見える。力強くてとてもよい。

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2023.11.12、旧京都府警本部庁舎

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2023年11月16日 (木)

京都府庁旧館正庁の壁紙

これって壁紙かなぁと思ってよく見たら破れているところがあって、やっぱり壁紙だった。エンボス(型押し)加工されていて表面が立体的になっている。輸入品だと思うが同様のものを他所で見たことがない。裏を浮かせた太鼓貼りにしている。太鼓貼りは唐紙などを貼るときの伝統的な手法で藤井厚二がやっているのを見たことがある。輸入品の洋紙を伝統的な工法で使いこなすあたりがスゴイ。

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2023.11.12、京都府庁旧館

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2023年11月15日 (水)

明治館のヴィクトリアンタイル

京都モダン建築祭のツアーで訪れた平安女学院の明治館の暖炉にあった。すすけたようすがおもしろい。白と赤の二色で、よく見れば色がはがれているところがある。色粘土製ではなく釉薬で色付けしているようだ。本来なら水回りの壁に使うタイルだろう。

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2023.11.12、京都市上京区

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2023年11月14日 (火)

京都モダン建築祭・最終日

大好きなガーディナーでなごむ。レンガと木造の調和がいつ見ても美しい。

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2023.111.12、京都市上京区、聖アグネス教会

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2023年11月13日 (月)

京都モダン建築祭・最終日

岡崎コースで武田五一のネコイスでなごむ。

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2023.11.12、岡崎公園、府立図書館

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2023年11月12日 (日)

京都モダン建築祭、北大路コース

きのうは北大路コースを案内した。初めて中へ入った日本福音ルーテル賀茂川教会はヴォーリズの晩年の作品で、思っていた以上に明るくてモダンだった。同じヴォーリズ設計の京都復活教会はいつ見てもとてもよい。ヴォーリズ三昧の2時間だった。

(上)日本福音ルーテル賀茂川教会(1954)
(下)京都復活教会(1935)

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2023.11.11、京都市北区

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2023年11月11日 (土)

京都駅プラットフォーム上屋

上屋の端は水切り板が鉄骨アーチを覆っている。ムーミンに出てくるニョロニョロみたいでかわいい。今は上屋が増築されたので部分的にしか見えない。

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2023.10.28、京都駅

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