2024年9月10日 (火)

関西学院大学の夢(12)外国人住宅

外国人教師用の住宅が並んで町並みを作っている。そこだけ中世的な風景が遺っている。思い返せばキャンパスの校舎群もひとつの理想都市の風景ともいえよう。関学移転を契機とした上ヶ原住宅地開発は、この世界線でまとめられている。中世主義者たちの夢がここには遺っている。

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2024.07.12、兵庫県西宮市

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関西学院大学の夢(12)建物は竹中藤右衛門の寄贈だった

旧図書館(現博物館)は竹中工務店社長の竹中藤右衛門の寄贈だったことを銘板で知った。施工者が自ら施工するものを寄贈するのは珍しい。ダンピングと受け取られかねない行為だが、それを覚悟の寄贈だというわけだ。竹中藤右衛門と関西学院大学との信頼関係のうえに成り立った寄贈だったのだろう。
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2024.07.12、兵庫県西宮市

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2024年9月 9日 (月)

関西学院大学の夢(11)天国は階段室にある

輝く太陽に見える。これはひとえに角の納まりが通常とは違うからだ。通常ならアーチは角から始める。ここではアーチの起点を角からずらしている。このやり方をわたしは他で見たことがない。おかげでアーチの連続感が角で切れることなく全体でひとつの星型のように見えるのだ。

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2024.07.12、兵庫県西宮市

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関西学院大学の夢(10)玄関ホールの満腹感

玄関ホールはいつまでも見ていられる。とくに石造りの階段から振り返ったときのホールの静謐はすばらしい。天井は決して高くないが、それゆえに真っ白な天井と床とが光を反射し合って不思議な静けさを作り出しているのだ。

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2024.07.12、兵庫県西宮市

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2024年9月 8日 (日)

関西学院大学の夢(9)モザイクタイルの床2

緑と黄いろの十字模様が柱型の部分はない。階段まわりもない。階段親柱の根本が丸くなっているが、縁飾りも丸く回り込んでいるあたりは芸が細かい。場所に応じて模様を変化させながら、それでも全体の印象を崩さないところが見ていて気持ちがよい。

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2024.07.12、兵庫県西宮市

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関西学院大学の夢(8)モザイクタイルの床

白を基調としてエビ茶と緑で縁取っている。清楚で華やかだ。縁取りのモチーフは十字架だろう。白床に点在させた模様も十字模様だ。そう考えると玄関上の八芒星ツナギ模様も十字架主体なのかもしれない。

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2024.07.12、兵庫県西宮市

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2024年9月 7日 (土)

関西学院大学の夢(7)関学トリフォイユの描きかた

この不思議なトリフォイユ(三つ葉)アーチの描きかたを考えてみた。これは正三角形を分割して描かれていると思う。三位一体の図学的表現なのだろう。

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2024.07.12、兵庫県西宮市
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関西学院大学の夢(6)八芒星ツナギの模様がきれいだ

アーチ上の八芒星ツナギの模様がいい。星型と十字の組み合わせでレース飾りのような軽やかさがある。型押しだと思うが、どうやって作ったのだろう。わたしも左官さんとこんな模様の壁を作りたい。

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2024.07.12、兵庫県西宮市

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関西学院大学の夢(5)窓が聖人たちに見える件

このアーチは三つ葉模様の変形だろうが、こんな形は見たことがない。いったいこれは何なのか。いま気づいたが、これは聖人像ではなかろうか。そう思うとそれ以外には見えなくなる。おもしろい。

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2024.07.12、兵庫県西宮市

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2024年9月 6日 (金)

関西学院大学の夢(4)モザイクタイルの屋根

遠目からだんだん接近して見え方の違うのを楽しんだあと旧図書館(現博物館)の前に立っていた。ここからいきなり探偵モードでディテール愛の世界へ入った。最初に気づいたのは屋根が東華菜館と同じモザイクタイル貼りということだ。これはいいネタ拾った。タイル貼りの屋根とという常識破りな事例のふたつめである。100年近く風雨にさらされて、なぜタイルがはがれないのか大謎である。

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2024.07.12、関西学院大学博物館(1929)

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2024.08.10、東華菜館(1926)

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関西学院大学の夢(3)塔のある風景

時計塔は鐘つき塔の発展形だろう。鐘つき塔は街の中心にあって町全体に時を知らせる。この時計塔もキャンパスの中心にあって四方から時刻を確かめることができる。関学キャンパスはそんな中世的な都市風景としてデザインされているわけだ。とてもよい。

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2024.07.12、兵庫県西宮市

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関西学院大学の夢(2)四角いキャンパス

正門を入ると長方形の前庭がある。この広がりに面して校舎を並べるキャンパス計画だ。甲山めがけたメインストリートの都市計画とよく響きあっている。関学のヴぉ―リス建築のうちでもっとも注意したいのは、この前庭だろう。手入れされた芝生とスパニッシュコロニアルの白い校舎とがよく溶け合って美しい。

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2024.07.12、兵庫県西宮市

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2024年9月 5日 (木)

関西学院大学の夢(1)甲山を背負っているのはなぜ

大学を中心とした宅地造成が行われている。メインストリートは正しく甲山(かぶとやま)を目指している。いったい誰がどのような思惑でこのような計画を行ったのだろうか。その計画と学園の関係はいかに。

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2024.07.12、兵庫県西宮市

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夜の京都駅は格別だ

陽光の下の吹き抜けもよいが、夜の闇の底に沈む姿もよい。人通りが少なく広い床に景色が映り込むようすもよい。

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2024.07.02、京都市下京区

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京都駅前バスターミナルアーケードは夜に見ろ

かまぼこ天井が端へいくほど反りあがっている。天井は中央と端部の3つに分割されている。分割せず一体的にしたほうが伸びやかな感じが出ると思うが。そうした細部が夜だと気にならず、ゆるやかな曲線美が際立っていておもしろい。

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2024.07.02、京都市下京区

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2024年9月 4日 (水)

阪急十三駅京都線ホームは曲がっている

曲がり具合がけっこう無理やりに見える。このカーブは夜に見ても美しい。そこへ車体を傾けながら車両が滑り込んでくるようすもかっこいい。

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2024.07.17、大阪市淀川区

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阪急中津駅の跨線橋

ここも3本の鉄橋が並んでいる。下を通っていたJRは地下化したので、いまは空き地になっている。線路の隙間から陽がさして案外明るい。その明るさと鉄橋の圧迫感の対比がおもしろい。

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2024.07.12、大阪市北区

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2024年9月 2日 (月)

阪急電車の駅名板は2:3である

タイルの大きさは100×200ミリのいわゆる100角2丁タイルだ。2枚で正方形となる。この方眼で駅名板を見れば2:3の比率であるのが分かる。広告板もやはり2:3だった。かつて建築家・武田五一は、黄金比に近い2:3の比率を推奨し自らも多用した。その名残が、こうしたところに残っているのだろう。

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2024.07.12、京都市

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インターロッキングの正しい貼り方

インターロッキングは舗装用のコンクリートブロック。模様が途切れないよう張り方に工夫がある。この山形模様は下から3つ目に変化があるのがお分かりだろうか。ここから先は、山形の中心線がブロック半個分だけ左へずれる。歩道の幅の変化に合わせているわけである。

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2024.07.12、京都市中京区堀川通り

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阪急中津駅改札口の白タイル

ウイッキによれば中津駅の高架化は1915年。そのときのタイルだろう。ボーダータイルなどの役物がおもしろい。乾式工法の陶器質タイルだが、焼きが甘いため貫入が多い。それもいい味出している。もともとこのタイルは風呂場などで使う屋内用タイルで、こうした半屋外で使うものではない。設計者は清潔な感じを出したかったのだろう。

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2024.07.12、大阪市北区

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2024年9月 1日 (日)

大丸ヴィラの刻印レンガ

以前も紹介したと思う。地下鉄入口のところにある。通りがかるたびに写真は撮る。1枚目は「ワ」だと思う。2枚目も「ワ」なのか? この刻印はメーカーを示すものか、それともロットを表す記号なのか、それさえ分からない。

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2024.07.16、京都市上京区

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済生会病院前の阪急架道橋

50メートルほどの鉄橋が3本並ぶ姿が圧巻だ。道路からの高さが6メートルほどと低いのも良い。青信号を待ちながらいつも写真を撮る。鉄橋の隙間から空が見えるのも楽しい。

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2024.07.10、大阪市北区

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2024年8月31日 (土)

外部階段の段裏が光っている

このマンションに住み始めて35年目になる。ときどき光の加減でとてもきれいに見えるときがある。うまく写真に撮ろうとするが、なかなか上手に撮れない。何気ない日常がきれいに撮れるようになりたい。

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2024.07.10、京都府向日市

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N工務店の作業場

家の前なので毎日のように見ている。ちょっとした光線の具合でとてもきれいに見えるときがある。波型トタンのサビや色あせたようすが美しい。何度も改修しながら使い続けてきたおもしろさが深い。こういうのが私は好きだ。

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2024.07.07、京都府向日市

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2024年8月30日 (金)

京阪淀駅のテント屋根

プラットホームのテント式の屋根は珍しいのではないか。明るくて気持ちがよいぞ。ゆるやかなカマボコ天井も伸びやかだ。競馬場が見えるのもよくできている。ウイッキによれば上りホームが2011年、下りが2013年に高架化。設計施工など不詳。

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2024.07.06、京都市伏見区

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京阪木幡駅(1951)

鉄骨がなかなかよい。小断面の鉄材を組み合わせている。これは戦後復興のための軽量鉄骨仕様で、関西私鉄にはまだ残っている。線路側は鉄パイプの柱に入れ替えたようだ。「京阪宇治線おけいはん」によればホーム上屋は1951年。反対側の上屋を建て替えた1981年に鉄パイプ柱に改修したのだろう。

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2024.07.06、京都府宇治市

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2024年8月29日 (木)

芸術配管 240706

京阪木幡駅で見つけた。整然としたからみ方がとてもよろしい。配管の先で色が変わるのもおもしろい。さらにスチールの天井と同色の白塗装なのもよい。

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2024.07.06、京都府宇治市

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阪急梅田駅高架下の「茜」

カウンターだけの焼き肉屋で、ひとり1つずつ七輪が置いてあり、肉は自分で焼く。これがうまい。

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2024.07.03、大阪市北区

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2024年8月28日 (水)

駒井邸の玄関ポーチ

学ぶところが多い。とくに玄関ポーチの壁手すりが座るのにちょうどよい高さであることに注意したい。これはベンチなのだと思う。そこに座れば駒井邸の正面を楽しめる。階段室の黄色いガラスと丸いバルコニーや玄関上のツボ飾りとその上の2連アーチ、なにより玄関ドア上の菊花型ランマがとてもよろしい。
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2024.06.30、京都市左京区

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東洋クロス樽井事業所(1919)

南海本線樽井駅を通過するときにレンガ工場が見えたので車窓から撮った。これほど大きな工場が遺っているのは珍しい。地図で確かめると東洋クロスとあったが今も操業しているのか不明。旧樽井紡績で渋沢社史データベースによれば大正8年創業。ノコギリ屋根のほうは昭和初期かもしれないが、レンガ部分は大正期だと思う。

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2024.06.29、大阪府泉南市樽井

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2024年8月27日 (火)

芸術配管 240625

降りる駅を乗り過ごしたのでJR大山崎駅で降りた。そこで見つけた。よくからんでいておもしろい。塗装されていれば、なお良いだろう。

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2024.06.25、京都府大山崎町

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ロイヤルハイツ藤田(1978)

廊下側に三角形の幕板が付いているのがおもしろい。手すりの左右や壁柱の両端を斜めにしていることと相まってにぎやかな動きのある立面をつくっている。不動産情報によれば1978年竣工。

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2024.06.24、京都府長岡京市

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2024年8月26日 (月)

【歴彩館講演ネタ⑦無事に終了した】

無事に講演会を終えた。1時間ほどのスライドショーであったが、楽しくお話しすることができた。みなさんも喜んでくださったろうか。今回は歴彩館のはからいで実現した講演会だった。歴彩館のみなさまありがとうございました。そしてご来場のみなさま、ありがとう!

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2024.08.10、京都市京セラ美術館

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2024年8月25日 (日)

【歴彩館講演ネタ⑥歴彩館デジタルアーカイブを紹介する】

昨日1日かけてスライドの整理をした。京都学・歴彩館デジタルアーカイブからネタを拾ったが、鮮明な図書館の写真を見ることができて大興奮だった。これはおもしろい。ほかに美術館のリニューアル報告書を読んだ。建てる時の「いわゆる日本趣味」について激論が興味深かった。ではご参加なさるかたは会場でお会いしましょう。

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2023.01.10、岡崎公園





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【歴彩館講演ネタ⑤いわゆる「日本趣味」について】

美術館コンペの企画段階において「日本趣味」をどうするか激論があったそうだ。委員のひとりである武田五一は「日本趣味」とすることを一歩を譲らなかった。さすが武田である。

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2024年8月24日 (土)

【歴彩館講演ネタ④美術館の旧玄関ホール】

踊り場から振り返ると、吹き抜け全体の写真が撮れる。このことはエックスで流れてきた写真で知った。すぐさま自分も撮ってみた。画面いっぱいに広がるステンドグラスが圧巻だ。比較的暗い色調の1階と純白の2階のコントラストが美しい。

8/25(日)歴彩館講演 https://rekisaikan.jp/news/post-news/post-15071/

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2024.03.26、京都市左京区

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2024年8月23日 (金)

【歴彩館講演ネタ③美術館の床タイル】

摩耗しているが、それでも味わい深い。格子状のシンプルなデザインが、焼きムラのある釉薬タイルを上手に取りまとめている。もし部分的な貼り換えを行えば、ご覧のような一体感を失うおそれがある。リニューアルに際して不要な更新をしなかったのはとてもよいと思う。

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20243.01.10、京都市左京区

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2024年8月22日 (木)

【歴彩館講演ネタ②府立図書館のツル】

クイズにするとクジャクという回答が多い。もちろん正解はない。武田がなにを考えていたのかは伝わっていないのだから。それよりも、これが何なのか考えて楽しむことが大事だろう。わたしはツルに見える。頭の赤いタンチョウツルだ。おそらく向いに同時期に建った京都市商品陳列所の換気口がカメだったのだろうと思っている。でもクジャクもいい線いっている。クジャクの羽はペンになるから、勉強の場である図書館にはふさわしい。

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2023.01.10、京都市岡崎公園

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2024年8月21日 (水)

【歴彩館講演ネタ①コンパスで描いた府立図書館】

府立図書館の設計に当たって武田が方眼紙とコンパスを使って設したことは周知の事実である。具体的にどのように設計したのかは明らかではない。わたしとしてはコンパスを立てた円の中心が外壁に遺っていることから、府立図書館立面の設計法を復元した。精密な立面実測を行えば証明できだろう。

田五一を愛する”建築探偵”の推理が、京都のモダン建築の謎を次々に解いているらしい(ぽマガジン、噂で知る京都2022.10.31)
https://www.potel.jp/kyoto/cityguide/feature/modern_architecture/?fbclid=IwAR2XgVHBRRrrJZ3Z45HTzqJrXtycRIUHK1dXC55nTMHcb1vgPyDV0M-GEvQ

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阪神電車三宮駅(1933)

このたびの改装で古い天井が見えた。とてもよい。扁平アーチは珍しいと思う。伸びやかで嫋やかな扁平アーチは出色である。改修工事中に柱まわりに古いタイルが残存していたのを見たが、これを表に出してほしかった。と、希望をの述べておく。

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2024.08.18、神戸市中央区

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2024年8月19日 (月)

釣りたぬき 平磯海釣り公園(2024.08.18)

2ヶ月ぶりに釣行。南海トラフ地震ちゅい情報を受けて釣り場を神戸の平磯海吊り公園に代えた。ここは30年ぶりだ。意外とここもガラ空きでゆっくりできた。

漁礁が多く岸壁側は型が小さい印象。沖にいくほど型が大きくなるのではないか。投げ釣りでキスを釣っている方があった。次回はわたしも投げ釣りを実験したい。貸し竿を使ってみよう。

9時過ぎに入園、1時過ぎに退園。サビキカゴを付けた落とし込み釣りをした。釣果はイシガキダイ稚魚11㎝、ベラ(キュウセン)10-13㎝4尾、ガシラ12.5㎝、スズメダイ12㎝の計7尾。

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Img_26282ガシラ
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2024.08.18、神戸市垂水区

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2024年8月18日 (日)

KITTE大阪の冒険(7)部分保存の本気を見た

写真は正面の反対側だ。新設のJR大阪駅の改札に通じている。表側から12メートルほどで外壁があるのなら中庭があったということなのか?  ネット検索で平面図をみたところ小さな中庭があったようだ。これは最初からJR大阪駅に接続するつもりで部分保存の場所を決めていたのだろう。これほど真剣な部分保存は初めて見た。感動ものである。

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2024.08.11、大阪市北区

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2024年8月17日 (土)

KITTE大阪の冒険(6)柱の断面がおもしろい

4階床の上で切断している。大阪中央郵便局は5階建てだった。最上階を解体しながらも4階床はきれいに遺っている。床を防護したうえで解体工事に入ったのだろう。仕事が丁寧で手際もよい。柱は切断したあと断面を磨いたようだ。中の鉄骨が見えるのがおもしろい。十字型の鉄骨柱だったことが分かる。だから八角形の柱が多いのか。

Img_25562十字型の鉄骨柱
Img_2548八角形の柱
2024.08.11、大阪市北区

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KITTE大阪の冒険(5)床材はパーケットブロック

2階から4階までの床材が遺っている。パーケットブロックのフローリング材だ。パーケットブロックは短い材の組み合わせで安く作ることができる。また傷んだ部分だけの取り換えも容易だ。遺された床は洗われてはいるが、古さを適度に残しているのがよい。

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2024.08.11、大阪市北区

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2024年8月16日 (金)

KITTE大阪の冒険(4)スチールサッシを見よ

スチールサッシも遺っている。4段に見えるが上下2枚セットの2段窓だ。下段は上げ下げ窓で真ちゅう製の引手とクレセント錠が遺っている。真鍮を磨き直しているがピカピカにしないところがとてもよい。上段はハンドル操作で開く突き出し窓だろう。どこかひとつだけでも開けてほしい。

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2024.08.11、大阪市北区

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KITTE大阪の冒険(3)3階の内壁タイル

3階には内壁タイルが遺っていた。グレーの釉薬掛けで光沢がある。赤系の色むらがあるため暖かさを感じる。生地には外壁と同じような黒い砂粒が混じっている。よいタイルだ。

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2024.08.11、大阪市北区

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2024年8月15日 (木)

KITTE大阪の冒険(2)グレーの外壁タイル

外壁はバリ土タイルだったんだね。グレーの土のなかに黒い粒が混じって深みのある色味となっている。切取り部分を見ればスチールサッシもタイルも当時のままであることが分かる。

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2024.08.11、大阪市北区

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KITTE大阪の冒険(1)旧大阪中央郵便局の部分保存を確かめてきた

期待はしていなかった。旧大阪中央郵便局の一部保存がどの程度の出来栄えか確認するだけのはずだった。気がつくと1時間ほど見ていた。これはよくできた部分保存事例である。

旧建物の12メートル角のキューブを切り取り保存している。曳家してKITTE大阪の玄関ホールの正面に据えられた。失われたのは1階の床と内装だけのようだ。これは曳家したときに無くなったのだろう。それ以外は丁寧に遺されている。本当にありがたい。

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2024.08.11、大阪市北区

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2024年8月14日 (水)

木下佳通代没後30年展を見てきた

不勉強で木下佳通代を知らなかった。京都芸大卒後から乳がんで亡くなる55才までの作品が集められている。年代ごとの展示が見やすかった。思索的な20代、実験的な30代、奔放な40代と感じた。わたしは30代の実験作品が1920年代のカンジンスキーやモホリ・ナギなどの前衛と通じているのが興味深かった。写真にあるような40代の作品群からは作家の悲鳴が聞こえるようで痛々しかった。それでも新しい表現を獲得しようとする血を吐くような真摯さが伝わる。彼女の60代を見たかった。

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2024.08.11、中之島美術館

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京都市京セラ美術館のラセン階段(3)

裏へまわって初めて柱があることに気づいた。昆虫標本の虫ピンのように目立たない。本当は柱を付けたくなかったという消極的なデザインがおもしろい。

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2024.08.10、京都市左京区

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京都市京セラ美術館のラセン階段(2)

おもしろいなぁ。クリームをかきまぜたような柔らかさがある。

注意したいのは踊場があるということ。写真にちょうど写っている。そこだけ棒手すりが水平になっているのが見える。しかし壁手すりには水平部分がない。つまり壁手すりの踏み段からの高さは部分によって違うということだ。難しい設計をしている。この難しい設計のおかげで柔らかさを手に入れている。おもしろい。

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2024.08.10、京都市左京区

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2024年8月13日 (火)

京都市京セラ美術館のラセン階段(1)

2020年の再生設計は古い部分をよく活かしている。このらせん階段も旧中央展示室とよくなじんでいる。白と木部のシンプルな色使いが美しい。壁手すりのため階段の踏面が見えないため隠し階段のようなワクワク感があるのもよい。

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2024.08.10、京都市左京区

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徳川美術館の夢(8)外観

正門からは大イチョウに遮られて旧館はよく見えない。美術館内から旧館を眺められる場所がある。旧館が遺っているとは知らなかったので、外観が見えたときは驚いた。白壁とベージュの石と緑釉瓦とがよく調和した美しい建物だ。とてもよい。

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2024.07.27、名古屋市

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2024年8月12日 (月)

徳川美術館の夢(7)旧正門もすばらしい

自然石の門柱も初めて見たように思う。自然石に存在感があり、甲冑を着た門番が立っているようにも見える。

青瓦の土塀と自然石の門柱は異質なはずだが、違和感なく納まっているのがすごい。自然石の表面に合わせて館銘板を湾曲させて納めているのもおもしろい。

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2024.07.27、名古屋市

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徳川美術館の夢(6)青い釉薬瓦が美しい

土塀にも徳川家の裏紋の六葉葵が使われていた。おのぎり型の珍しい丸瓦だ。青い釉薬が美しい。平瓦も葵の唐草模様だった。壁体は瓦土塀風になっており。青のラインが続くようすは見事である。

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2024.07.27、名古屋市

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2024年8月11日 (日)

徳川美術館の夢(5)徳川家の裏紋「六葉葵」を発見した

玄関天井は「六葉葵唐草蓮弁飾付格縁」と説明にある。これは「六葉葵・唐草・蓮弁」飾り付きの格縁と読む。格縁とは格天井のことだ。格天井とは天井縁を正方形の格子に組んだ天井。

唐草は直線部分にあしらわれている。その交点にある丸い飾りが蓮弁、つまりハスの花びらの形だ。よく見ると蓮弁部分は二重円になっている。中央の小さい円の中が「六葉葵」となっている。

これは徳川家の裏紋だそうだ。三つ葉葵が公式であるのに対し、六葉葵は非公式で私的なものという意味だそうだ。ここは徳川家の私設美術館であるから六葉葵の家紋がふさわしい。裏紋をほんの小さく入れているのが奥ゆかしい。

Img_2131格子状の天井
Img_21312クッキーのような飾り
Img_21313二重円の中央が六葉葵
2024.07.27、名古屋市 

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2024年8月10日 (土)

徳川美術館の夢(4)空を舞うのシャチホコ

玄関床にはシャチホコが描かれている。赤と黒のシャチホコでマリをあいだにはさんで遊んでいる。一番左右にあるのは雲形なので空中でマリ遊びをするシャチホコが画題だ。楽し気でとてもよい。これも石に色大理石をはめ込んだもので象嵌技法によるもので珍しい。

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2024.07.27、名古屋市 

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